ホーム トレンド 火災現場での救助活動中に破損したドア、消防署が賠償責任を問われる

火災現場での救助活動中に破損したドア、消防署が賠償責任を問われる

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引用:光州北部消防署提供/ニューシス
引用:光州北部消防署提供/ニューシス

韓国・光州(クァンジュ)で発生した火災現場で消防士が玄関ドアを強制的に開けた際に破損したドアロックの修理費用を住民から請求される事例が報告された。

光州北部消防署によると、先月11日午前2時52分頃、光州市北区新安洞の4階建てヴィラで火災が発生した。現場に駆けつけた消防士は消火活動を行いながら、人命救助にも当たった。

消防士たちはすぐに2階と3階の各世帯のドアをノックし、住民に避難を呼びかけた。その結果、入居者5名は自力で避難した。また、煙を避けて屋上に上がった2名、1階にいた2名も自力で避難した。

しかし、深夜という時間帯だったため、熟睡していて避難できなかったり、煙を吸い込んで動けなくなった住民がいる可能性があると判断した消防士たちは応答のなかった2〜4階の6世帯のドアを強制的に開けた。この際にドアロックが破損した。

その後、住民が強制開錠によって破損した玄関ドアの修理費用を求め、消防当局が賠償責任を負うことになった。

破損した玄関ドアの修理費用は1世帯あたり130万ウォン(約13万6,058円)で、6世帯分で約800万ウォン(約83万7,284円)となった。

当時現場に出動した消防士は「火災により煙が充満しており、避難できなかった住民を迅速に捜索する必要があった。幸い、追加の死傷者は出なかったが、ドアを開ける過程で玄関が破損した」と説明している。

通常、消防士が火災鎮圧の過程で財産損失を発生させた場合、火災が発生した住宅の所有者が加入している火災保険から賠償される。しかし、今回の火災の出火元となった世帯の家主が死亡しているため、賠償が不可能となり、他の世帯主たちが消防署に損害賠償を求めた。

賠償責任を負うことになった消防署は損害賠償をカバーするために加入している行政賠償責任保険会社に保険適用の可否を問い合わせたが、「適用不可」との回答を受けた。

この保険は火災や救助活動の過程で消防士のミスによって損失が発生した場合に適用されるものだが、今回のドアロック破損は消防士が適法に手続きを経て人命救助を行う中で発生したため、責任保険会社ではなく住宅火災保険会社から補償されるべきだと説明された。

光州消防本部はこのような事例に備え1000万ウォン(約104万6,299円)の予算を確保していたが、今回の事件に予算の80%を使用するのは難しい状況にある。年内に追加の事例が発生する可能性もあるためだ。

北部消防署の関係者は「消防本部の独自予算の使用を含め、様々な補償案を検討している」と述べた。

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