子犬を子トラのように染色した中国の動物園
中国のある動物園が観光客を集めるため、子犬を子トラに偽装したとして、非難の声が上がっている。
30日(現地時間)、イギリスのメディア「ザ・サン」は江蘇省泰州の動物園で撮影された映像を公開した。
映像には、黒とオレンジの縞模様で覆われた毛むくじゃらの動物が、庭を歩き回る様子が映っている。顔には不自然なヒゲや眉毛まで黒く塗られており、一見すると子トラのように見えるが、よく見るとそれは子犬だった。虎にしては耳が尖りすぎており、オレンジ色の毛も不自然に明るく、違和感がある。
過去には中国広元の動物園が子犬をパンダに偽装し、入場料を取ったとして物議を醸した。観光客は「珍しく異国的な動物が見られる」と広告に引き寄せられたが、実際には子犬だと気づき、返金を要求する事態に発展した。
当時、訪問客が撮影した映像には檻の中に2匹の「パンダ」が映っていたが、よく見ると耳や足、目の周りは黒く塗られ、1匹は舌を出してハアハアと息をするなど、犬の特徴が明らかに現れていた。
しかし、動物園側は「これらの動物をパンダとは呼んでいない。『パンダ犬』だ」と説明し、人々を騙す意図はなかったと主張した。
一方、イギリスのペット健康メディア「セイファー・ペッツ」によると、動物の皮膚は人間と異なり非常に繊細で、染料が有害であるだけでなく、不要な美容行為が動物にストレスを与える可能性があるという。
人間の皮膚はpH5.5であるのに対し、犬の皮膚のpHは約7.3と弱アルカリ性で、外部刺激に対して敏感だ。人々が関心を引きたい、または犬を他の動物に見せたいという欲望が、最終的に犬に大きなストレスや健康リスクをもたらす恐れがある。